納豆天国風ラテン語入門講座2: 08 動詞の過去形と未来形

この章では、ラテン語の動詞の過去形と未来形について学んでいこう。

過去形

ラテン語の動詞の過去形、少し注意が必要だ。実は、「〜した」というような、過去の一回の行為を表すのは動詞の現在完了形。過去形は、過去の行為の反復や過去の習慣、過去の行為の開始といった、特殊な場合にのみ用いられる。

ここでは、直説法能動態過去の活用形について見ていこう。活用のベースになるのは、02章で扱った直説法能動態現在と同じく「直説法能動態一人称単数現在」と「不定法能動態現在」の2つの活用形。つまり、「第何活用」といった分類をそのまま使うことになる。

第1活用第2活用第3活用A第3活用B第4活用sum
一人称単数negābamvidēbamcrēdēbamcapiēbamdormiēbameram
二人称単数negābāsvidēbāscrēdēbāscapiēbāsdormiēbāserās
三人称単数negābatvidēbatcrēdēbatcapiēbatdormiēbaterat
一人称複数negābāmusvidēbāmuscrēdēbāmuscapiēbāmusdormiēbāmuserāmus
二人称複数negābātisvidēbātiscrēdēbātiscapiēbātisdormiēbātiserātis
三人称複数negābantvidēbantcrēdēbantcapiēbantdormiēbanterant

全体として第1活用の現在形の活用に近い活用だといえるだろう。

未来形

ラテン語の未来形は、単純に未来の行為を表す。また、二人称の未来形は命令の意味を表すこともある。

これから示すのは直説法能動態未来の活用形だ。こちらも「直説法能動態一人称単数現在」と「不定法能動態現在」の活用形がベースになっている。

第1活用第2活用第3活用A第3活用B第4活用sum
一人称単数negābōvidēbōcrēdamcapiamdormiamerō
二人称単数negābisvidēbiscrēdēscapiēsdormiēseris
三人称単数negābitvidēbitcrēdetcapietdormieterit
一人称複数negābimusvidēbimuscrēdēmuscapiēmusdormiēmuserimus
二人称複数negābitisvidēbitiscrēdētiscapiētisdormiētiseritis
三人称複数negābuntvidēbuntcrēdentcapientdormienterunt

第1活用、第2活用、sumでは第3活用の、第3活用、第4活用では第2活用の現在形の活用に近い活用だといえるだろう。

おさらい

ラテン語の動詞の過去形と未来形の用法と、直説法能動態過去、直説法能動態未来の活用を学んだ。

練習問題

次のラテン語を日本語に翻訳しなさい。解答は、問題の後ろの黒い部分をドラッグすれば出てくる。

  1. Dormiebamus.我らは眠りていたり。
  2. Servus(<奴隷 servus, -ī m.) eram.我は奴隷なりけり。
  3. Filiae nobis fabulas narrabant.娘らは我らに物語を語り始めたり。
  4. Filius magister erit.息子は先生にならむ。
  5. In Deum credes.汝は神を信ぜよ。

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